キャッシュ・フォー・ワーク(CFW)
最近、Webでキャッシュ・フォー・ワーク(CFW)を知り、日本の第一人者松永伸吾先生の「キャッシュ・フォー・ワーク 震災復興の新しいしくみ」(岩波ブックレット)を読みました。
うかつにも、中小企業BCPや雇用問題に関心を持ちながら、この言葉を知りませんでした。
もともと私は寄付・義援金による援助に限界を感じており、経済活動から復興支援をするという考え方に立っているので、馴染みやすい概念でしたが、事業の立ち上げやボランティアとの役割分担など、実践経験から出てくる貴重な内容が、この薄い本の中に満載です。
ただ、今回の東日本大震災でもその考え方を反映しているというものの、雇用情勢の改善が進んでいないことから、もう少しスキームの改善が必要かもしれません。近々、来るべき首都圏直下型地震や東海・東南海・南海地震からの復興方法を検討する上で、スキームの改善をしておくことは大変重要です。
特に、雇用のミスマッチについては考慮すべきです。また、いわゆる派遣切りの時にも生じたことですが、雇用対策として短期の有期雇用に対する応募が少ないという点についても改善が必要です。
CFWは、市場と競合しない分野を除き、市場経済による活動へのつなぎ雇用という位置づけであり、短期が原則ですが、雇用不安の中での個人の能力・スキルとは必ずしも合わない労働に対し、モチベーションが上がるとも思えません。
もちろん、本当に困っていれば、少々合わない仕事でも、また、賃金が安くても雇用されるはず、という考え方もありますが、Win-Winの関係にはなかなかならないでしょう。
知恵の出しどころと思います。
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